電話恐怖症の原因と治し方
電話をかけるのが怖い、出るのが怖い、話しているのを人に聞かれるのが怖いというのは電話恐怖症の症状です。
他人にこのことを相談しても、大丈夫だよ、そのうち治るよと言われたり、どういう意味かよくわからないという風に理解してくれない可能性もあります。
だからこそ、余計自己嫌悪に陥ってしまいます。
しかし、仕事をしていたりするとどうしても電話には出なければならないでしょうから、仕事にも支障が出ますし、そのうち日常生活にも支障が出てきます。
この電話恐怖も対人恐怖症の1つです。
話しているところをまわりの人に聞かれるのが怖い、なんて思われるか気になる、話している相手にどう思われるかが気になる、変な人間だと思われるのではないかと怖くなるということに悩みます。
悩んでいる本人は、こんなことで情けないとか、自分は駄目な人間なんだという風に感じてしまって、どんどん人前に出てゆくのも避けるようになることがあります。
しかし、この症状も他の対人恐怖症と同じように治すことができます。
大切なのは、何故怖くなってしまうのかを理解すること、そして、どう対処したらいいのかを知ることだと思います。
自分の意識はどこにある?
電話をかけるとき、もしくは話している時でも結構ですが、自分の意識はどこにあるのだろうと考えてみます。
すると恐らく、相手にどう思われるだろうか、またはまわりで聞いている人にどんな風に思われるかということに意識が集中していると思います。
だからこそ、話そのものには集中できません。
何を言っているか分からなくなり、余計頭が真っ白になって、嫌な汗が出てきたり、不安になったりします。
ポイントは、「相手にどう思われるか?」と思っている部分です。
これは相手のことを考えているようですが、実は相手に自分がどう映るかを考えているのだと思います。
つまり、自分に意識が向いてしまっているということで、それは言い換えると、相手にどう評価されるかが気になってしまっているということだと思います。
これが不安や恐怖のもとになっています。
相手の評価というのは自分ではコントロールできないものです。自分ではどうにもできないものを気にし始めると、不安になります。
それが習慣になるとそれは恐怖へと変わってゆくのです。
克服する
私達には、不安や恐怖という感情がもともと備わっています。
何か注意しなければならないような時には不安になったりしますし、怖いという感情があるからこそ、危険なところに近づかないようになります。
ですから、不安や恐怖というものは、本当は、私達にとっては大切なものだと思うのです。
しかし、電話恐怖症の方の場合は、この不安や恐怖というものをどうにかして取り除きたいと思っているのではないでしょうか?
怖いという気持ちに耐え切れずに、何とかして恐怖を取り払いたい、不安に思うのが辛いからどうにかして、不安から解放されたい、そう思っていると思います。
しかしながら、先ほどもお話したように、不安や恐怖というのは実は誰もが持っているものです。
例えば、会ったこともない人に電話する時は、私たちは少なからず緊張したり、どんな人なのだろうか?と不安になったりするものです。
ただ、そう緊張したり不安になっても、それは仕方のないことなので、普通は緊張したままに電話をかけます。
ところが、電話恐怖症の方は、その緊張したり、不安になったりすることを何とかしたいと思ってしまうのです。でも、不安や緊張や恐怖という感情は、私達には必要なものだし、なくすことなどはできません。
それでも何とかしてそれをなくそうとすると、余計不安になり、それは恐怖へと変わってゆくのです。
それが電話恐怖症の仕組みであり、解決方法もそこに隠れていると思います。
この恐怖症から解放されるには、不安や恐怖をそのままにしておくこと。つまり、そういった感情は当たり前のものであるから、それをあえてなくそうとは思わないことです。
そして、今自分がするべきことに意識をむけることです。
電話をかけることそのものが目的ではないはずです。
相手に何を伝えるなければならないのか、どのような目的があって電話をするのかを自分自身に問いかけてみることで、少しづつ症状は良くなってゆくと私は思います。