人と関わるのが怖いのは何故?
人間であれば、何かしらの欲を持っていると思います。例えば、褒められたい、理解して欲しい、評価して欲しいという欲求は誰にでもあるものです。
ですから、友達から褒められたり、会社で評価されたりすると嬉しいものです。
一方、それとは逆の欲もあります。
それは悪く思われたくないという欲求です。
こんなことをしたら、どう思われるだろうか?自分を怪しい人間だと思うのではないか?変な人だと思うのではないか?
悪く思われたくないという欲がエスカレートしてゆくと、このようにして、何をするにも他人のことが気になってしまいます。
それで自分の思うような評価をしてもらったり、自分の思い通りの付き合いができればいいのですが、そうもいきません。
世の中には色々な人がいますし、100人いれば、100通りの考え方がありますから、自分のことを全ての人が評価するとは限らないのです。
これはどんな人にも言えます。
テレビに出ている芸能人でも、好き嫌いはあると思います。どんなにスターと言われる人でも、ファンもいれば、嫌いだと言う人もいるのです。
しかし、認められることばかりを考えて求めてゆくと、結果的にはそれが100%実現することはありませんから、その現実との違いに愕然としてしまい、次第に人と関わるのが怖くなってゆくのです。
ただ、100人いれば、100通りの考え方と書きましたが、必ず、自分のことをいいと言ってくれる人もいます。
反対に、何をしても自分のことをいいとは思ってくれない人もいるのです。
私は、世の中とはそういうものだと思えた時、無闇に人の評価を求めることも、自分を評価してくれない人を残念に思うこともなくなりました。
逃避することをやめるには?
対人恐怖症になってしまう人には、自分の思い描いた状況を求めようとする特徴があるようです。
つまり、物事はこうあるべきだという考え方が自分の中にあることが多いです。
そして、そんな「かくあるべき」状況であるかどうかを必要以上に考え続け、結局はその場面から逃避してしまうということが多くあります。
少なくとも私の場合はそうでした。
色々な場面を避けていたのは、100%確実なことだと自信を持てなかったからです。
家を出たら、嫌な人に会うかも知れない、マナーの悪い人と出会うかも知れない、嫌な気分になってしまうかも知れない、それなら、人がいるような場所に行くのはやめておこうといった具合です。
ところが、そうやって100%確実なことを求めようとすればするほどに、どこにも行けないようになってゆきます。
というのも、世の中は思い通りにはいかないことばかり、だからです。
じゃあ、どうやったら行動できるようになるのでしょうか?
それは100%確実なもの、完璧なものを探すことではなくて、思い通りにならないことを受け入れることだと思うのです。
思い通りにならないということを受け入れる勇気を持った時にはじめて、行動できるようになります。
どうやったら受け入れられるか?
ではどうやったら、(人間関係で)思い通りにならないことを受け入れることができるでしょうか。
私はそのためには自分を守ろうとすることをやめること、だと思いました。
以前の私は自分を守ろう、守ろうとしていました。だから、人と関わるのが怖かったのだと思います。
ですが、思い切ってその逆のことをしてみようと思ったのです。
つまり、自分ではなくて、自分以外の人を守ろうとしてみよう、と。
自分以外の人を守ろうとするというのはどういうことかというと、その人の気持ちを守ろう、その人が大事にしていることを守ろうとすることであったり、そういうことです。
誰かを大事にするとか、誰かを守るには、自分が強くなくてはなりませんし、自分だけではなくて、相手のことを考えなくてはなりません。
ただ、面白いことにそう思ってみた時、つまり、誰かを大事にしようとか、誰かを守ろうとは、相手の(気持ち)を考えてみようと思ってみた時、自分が強くなれた気がしたのです。
私達は自分のことを守ろうとしている時は強くなれないのかも知れないなと思いました。
誰かを守ろうとした時に私は強くなれた気がして、人と関わることが怖いという気持ちもそれと同時になくなっていったのです。